核兵器禁止条約への多国間交渉 支持106カ国 欧州でも広がる 国連作業部会

【ジュネーブ=小玉純一】核軍備の縮小・撤廃へ多国間交渉の前進を図る国連作業部会で17日までに、核兵器禁止条約の交渉を2017年に開始することを支持する国が少なくとも106カ国となりました。


2017年開始 最大の焦点に

スイス・ジュネーブの欧州国連本部で17日に開いた公開会合で、スリランカが支持を表明。これに先立ち16日の会合では、欧州からマルタが支持表明し、リヒテンシュタインの支持も明らかになりました。さらにアイルランドも事実上の支持を表明。オーストリアが5日に支持を表明しており、欧州の支持国は4カ国となりました。

米国主導の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が多い欧州からの新たな支持は、核兵器禁止条約を進める国々から歓迎されています。

16日にアフリカ諸国54カ国、中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)33カ国、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国、太平洋諸国4カ国から、それぞれの代表が支持を表明しています。

CELACのドミニカの代表は、「核兵器はどんな文脈でも正当化できないし、どんな状況でも使われてはならない」と指摘。南アフリカやASEAN加盟国のラオス代表は「核兵器の禁止・全廃こそ、核兵器を使用させない絶対的保障だ」と強調しました。

総会報告をきょう採択

【ジュネーブ=小玉純一】核軍縮交渉の前進を図る国連作業部会は、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で19日に開く最後の会合で、国連総会への報告を採択する予定です。核兵器禁止条約の2017年交渉開始をどう扱うかが最大の焦点。タニ・トーンパクディ議長(タイ)は全参加国の合意を目指しています。

議長が作成した報告案は「結論と合意された勧告」の部分で、核兵器禁止条約を交渉する会議を「(国連)総会が2017年に招集することを、過半数の国が支持した」と明記。一方で、禁止条約の交渉を「現在の国際安全保障環境に照らして時期尚早であると、一部の国々はみなした」としています。

来年の禁止条約交渉開始を支持する多数派と、それに反対する少数派に分かれている現実が反映した内容になっています。

これに対し、禁止条約を時期尚早とする国々を代表して、5日の会合でドイツが、16日にはカナダが、それぞれ「受け入れない」と表明しました。

ただし、来年の交渉開始を支持する国が100カ国を超えることが明確となり、ドイツやカナダなどの少数派に妥協を迫る形となっています。少数派は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国や豪州、日本などです。

核兵器を持つ米ロ英仏中とイスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮は部会に参加していません。

2016年8月19日(金)「しんぶん赤旗」より

政治の責任で生前退位の真剣な検討が必要 志位委員長が会見

2016年8月8日

71周年の終戦記念日にあたって日本共産党書記局長 小池 晃

日本共産党の小池晃書記局長は、15日の終戦記念日71周年を迎えるにあたり、次の談話を発表しました。

一、戦後71回目の終戦記念日にあたり、日本共産党は、日本軍国主義がおしすすめた侵略戦争と植民地支配の犠牲となった、内外の人々に、深い哀悼の意を表します。そして、戦争の惨禍、おびただしい犠牲と悲惨な体験をへて、日本国民が手にした憲法9条を守り抜き、憲法を生かした平和日本を築くために全力をあげる決意をあらたにします。
一、安倍政権は、憲法の平和主義を根底から覆す暴走を続けています。集団的自衛権行使を容認する閣議決定を行い、安保法制=戦争法を強行するなど、日本を再び「海外で戦争をする国」に変質させようとしています。さらに、安倍政権は、明文改憲への執念を露骨にしています。先の参議院選挙では、「憲法隠し」に終始しながら、選挙がおわったとたん、自民党改憲案をベースに3分の2を「政治の技術」で構築していくと表明しました。9条2項を削除し、「国防軍」創設を明記し、海外での武力行使を無条件、無限定に可能とすることに安倍改憲の本丸があります。
日本共産党は、安倍改憲を許さず、憲法の平和主義を守り、生かすために、恒久平和を希求するすべてのみなさんが、政治的な立場や思想・信条の違いを超えて、力を合わせることを心から呼びかけます。
一、安保法制=戦争法にもとづいて、南スーダンに派遣されている自衛隊の任務拡大と武器使用拡大が行われようとしています。しかし、7月に入り、南スーダンの首都ジュバで大統領派と副大統領派の激しい戦闘が勃発し、自衛隊の宿営地内で複数の弾痕が確認されるなど、南スーダンが「殺し、殺される」初めてのケースになる危険が切迫しています。安保法制=戦争法の発動を許さず、その廃止をもとめる世論と運動を大きく広げようではありませんか。
一、日本の自衛隊は、他国と武力を交えず、一人の戦死者も出さずにきました。戦後71周年の終戦記念日にあたり、戦後築き上げてきた、この財産を、今後も継承し、再び戦争をする国への道を絶対に許さないために、国民のみなさんとともに全力をあげます。

【動画】党創立94周年記念講演会 2016年8月5日

賓あいさつ、初当選参院議員あいさつ

志位和夫委員長の記念講演「野党と市民の共闘と、日本の政治の展望」

【主張】 障害者殺傷事件 「いなくていい人」はいない

神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、元施設職員の男性によって入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負った事件が、深い悲しみと憤りを広げています。多くの人命を奪った戦後最悪の殺人事件そのものの残忍性に加え、大きな衝撃を与えているのは、容疑者の元職員が事件前から「障害者なんていなくなればいい」という趣旨の言動を重ねていたとされることです。障害者の命と尊厳、存在をこれほどあからさまに否定する考えを、絶対に認めることはできません。

憎悪にもとづく異常犯罪

事件現場の施設前に設けられた献花台には障害者や関係者が次々訪れ、「胸が張り裂けそう」と悲しみを口にしています。障害者や家族、関係者の団体が我がことと感じ、「命の重さに思いを馳(は)せて」と相次いで声明を発表し、命の大切さを訴えていることに、この事件の特別の深刻さがあります。

今年2月まで同施設に勤務していた26歳の容疑者は「重度障害者は安楽死させたほうがいい」など障害者の命や人権を真っ向から否定する姿勢があったといいます。2月半ばには2度にわたり衆院議長公邸に「私は障害者を抹殺できる」などとして事件を予告する手紙を持参していました。ぞっとする内容の手紙です。

“障害者をなくすことが日本国と世界のため”、“障害者は不幸を作ることにしかならない”と障害者を社会の邪魔者扱いする差別と偏見、その存在すら認めない憎悪と敵意に満ちています。障害者をふくめあらゆる個人の権利と尊厳を保障する人権思想に根本から反する記述です。

障害のある人もない人も、相互に人格と個性、多様な生き方を認めて支え合い、学び合う社会の実現こそが、現代社会を形成する土台であることは明らかです。障害者であれ、健常者であれ「いなくなっていい人」はいません。障害者を「不要」とみなし「抹殺」を正当化する主張は、第2次世界大戦前、ヒトラー政権下のドイツで、障害者は「生きるに値しない」と「優生思想」を掲げ計画的に虐殺したナチスとあい通じるもので、到底許し難い危険な考えです。

容疑者は、障害者への偏見などの問題を指摘され、施設を退職しました。一度は福祉現場で働いた容疑者が、なぜこれほど障害者への憎悪を膨らませ凶行にいたったのか―。詳しい経過や行政などの対応については検証が待たれます。しかし、多くの福祉関係者が、事件をきっかけに不安と危惧を募らせているのは、障害者をはじめ社会的弱者や少数者などにたいする偏見や差別、排除の社会的風潮が強まる傾向のなかで起きたのではないか、ということです。他民族にたいし侮蔑的な言葉を投げつけるヘイトスピーチなどはその典型です。危険な風潮の台頭を許さない、国民的合意と取り組みが不可欠です。

共に生きる社会へさらに

格差や貧困を「努力が足りない」として自己責任にすりかえる、障害者施策などへの社会保障費を国の「お荷物」扱いする、高齢者と若者を分断し「世代間対立」をあおる―。こんな考え方が、誤った風潮を醸成する土壌になっていないか。一切の差別や敵意、偏見を許さないことが、障害者をはじめだれもが大切にされる社会をつくるための重要な課題です。

「しんぶん赤旗」2016年7月29日(金)より

安倍政権 沖縄に強権 「高江」工事強行 「辺野古」県を提訴 これが民主国家か

図

(写真)ヘリパッド建設工事に反対し、機動隊に抗議する人たち=22日午前6時ごろ、沖縄県東村

「生活が壊される」「これが民主主義国家か」―詰めかけた住民、県民の抗議の中、防衛省沖縄防衛局は22日午前6時、沖縄本島北部の東村高江に予定されている米軍ヘリ着陸帯(ヘリパッド)建設を再開しました。現地では住民や多くの県民がつめかけて工事反対を訴え、これを全国から動員された数百人の機動隊が強制排除。県道を封鎖し、さらに民間警備会社まで動員する中で工事用車両が移動し、作業を開始しました。

日米両政府は1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で、米軍北部訓練場の「過半」返還の条件として六つのヘリパッドを建設することにしていました。このうち2カ所はすでに完成。残る4カ所のうち、N1地区(2カ所)ではブルドーザーなどの搬入が進められています。G、H地区の工事も近く強行する可能性があります。

沖縄県では本土復帰前、米軍が「銃剣とブルドーザー」で住民の土地を接収して基地を建設しましたが、日本政府が住民をこれだけの規模で暴力的に排除したのは前代未聞です。安倍政権の強権ぶりを示すとともに、住民の抵抗で思うように基地建設が進まないことへの焦りが表れた形です。

さらに政府は同日午前、名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、辺野古埋め立て承認取り消しに対する国側の「是正指示」に翁長雄志知事が従わないのは違法だとして、県を相手取って違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に提起しました。同支部は第1回口頭弁論の期日を8月5日と決めました。

上京中の翁長知事は22日、都内で記者団に対して、「沖縄の米軍基地問題についての国の強硬な態度は異常だ。多くの選挙を通じて民意が示されたのに、全く聞く耳を持たずに新基地建設を進めることは民主主義国家のあるべき姿からほど遠いものだ」と批判。第1回口頭弁論に出廷して意見陳述する考えを明らかにしました。

また、ヘリパッド建設について知事は「政府が警察力を用いて住民を強制的に排除する事態が生じていることは、県民に大きな衝撃と不安を与えるものであり、誠に遺憾」だと表明。県民や住民への十分な説明がないまま工事を強行する政府の姿勢は「到底容認できない」として強く抗議しました。

【動画】 新しい東京へ心ひとつに 「革新都政をつくる会」総決起集会 7月19日

7月19日、「革新都政をつくる会」総決起集会 鳥越俊太郎都知事候補決意表明、小池晃書記局長・参院議員あいさつ。