古典教室

講師:不破哲三社会科学研究所所長
第1回
12月7日
開講にあたって/『賃金、価格および利潤』(1)
科学的社会主義の「古典」とは何か、「マルクスは清水の次郎長と同時代の人だった」など、教室に参加するみなさんへのガイダンス。「商品の価値」を現代の正規労働者と非正規労働者の例もあげて話すなど、商品経済社会の法則を語る。
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第2回
1月11日
『賃金、価格および利潤』(2)
 資本家の儲けはどこから生まれるのか? 資本主義の搾取の秘密を解く。日本では明治維新後と高度成長期とに、大量の農民が無理やり労働者へと押し出されて行った。国会で取り上げた大企業の工場での搾取の増やし方とは? 政治献金や国家の浪費のおおもとにも搾取があった。
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要綱(2-3回).pdf「しんぶん赤旗」記事
第3回
2月1日
『賃金、価格および利潤』(2) (続き)
 資本の支配を打ち破る労働者の闘争の意義を縦横に語る。マルクスは労働時間の短縮の大切さを、「時間は人間の発達の場である」という言葉で表現し、未来社会を展望していた。労働者が権利をまもる「社会的バリケード」(社会的ルール)をかちとる大切さをつかむ。
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「しんぶん赤旗」記事
「社会的バリケード」という言葉の出典について
第4回
5月10日
第二課 マルクス『経済学批判・序言』 
前半は、マスコミで反響を呼んだ「科学の目で原発事故を考える」(全文テキスト)。「利潤第一主義」が日本の原発推進政策と安全神話を後押ししてきた。後半は、「『経済学批判』への序言」をもとに史的唯物論を学習。マルクスが、ドイツ社会の現実の問題と格闘しながら、史的唯物論を生み出していった足跡をたどる。
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『経済学批判』テキスト(4-5回).pdf「しんぶん赤旗」記事
第5回
6月7日
第二課 マルクス『経済学批判・序言』 (続き)
 「軍人勅諭」に基本が記された戦前の歴史観にたいし、マルクスの見方に学んで日本の歴史を見直す研究が戦前と戦争直後に起こり、社会に広がっていった。それだけの威力をもった史的唯物論の内容を、6つの定式を読み解きながらつかむ。日本は、4つの歴史的段階を典型的にたどって発展してきた世界でもまれな国だった。
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「しんぶん赤旗」記事
第6回
7月5日
エンゲルス『空想から科学へ』 第1回
『空想から科学へ』は、科学的社会主義のあらましをまとめて書いた貴重な本。世界の人民主権と共和制の先駆けとなったフランス革命の歴史がドラマチックに語られる。しかし、この革命で実現したのは「理性の国」ではなく、ブルジョアジーの国だった。そのもとで、新たな社会の変革に挑んだ空想的社会主義者らが、なぜ成功できなかったか?
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予習用資料.pdf「しんぶん赤旗」記事
第7回
9月6日
エンゲルス『空想から科学へ』 第2回
第2章では、科学的社会主義の自然と社会にたいする見方(世界観)の説明の順序が、マルクスとエンゲルスの思想的な発展の歴史と重なっている。若き2人はどのようにして科学的社会主義に進んだのか?それぞれの探究の姿と、自然科学の展開のエピソードをおりこみながら、解き明かす。党の活動は弁証法の宝庫であり、広い視野で見ること、発展と進歩の芽をとらえることなど、日常の党活動に生きる弁証法の法則も語られる。
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資料.pdf「しんぶん赤旗」記事
第8回
10月4日
エンゲルス『空想から科学へ』 第3回
第3章では、資本主義が社会主義にすすむ必然性が語られている。その前半の、資本主義が発展し矛盾が激しくなって没落するまでを、資本主義の根本の法則と矛盾を通して学ぶのが、この回のテーマ。日本の江戸時代と明治時代、ものづくりの現場の変化を通じての資本主義発展の物語や、「資本主義」の名づけ親がマルクスだったというエピソードも紹介。「資本主義の根本矛盾」についてのエンゲルスとマルクスのとらえ方の対比には、講師の最新の研究成果がもりこまれている。
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「しんぶん赤旗」記事
第9回
11月1日
エンゲルス『空想から科学へ』 第4回
第3章の後半部分およびマルクス、エンゲルスの諸文献で、社会主義論の原点を学ぶ。資本主義の矛盾を解決するには、社会が生産力を公然とにぎらなければならないこと(生産手段の社会化)が示される。どうやって社会化を実現するか、生産手段の社会化によって人間社会にどんな変化が起こるか――「生産者が主人公」に、そして「人間の全面的発達が社会発展の最大の推進力になる」社会へ。「過渡期論」の解明も新しい。
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第10回
12月6日
エンゲルス『「フランスにおける階級闘争」への序文』 第1回
「革命をどう進めるか」は科学的社会主義理論の要。日本共産党の多数者革命路線がどういう歴史をへて大道になったのか、マルクス、エンゲルスがどのようにヨーロッパ諸国の革命を探究していったかが生き生きと語られる。1848年革命とボナパルト帝政、パリ・コミューン、ドイツの党の選挙・議会闘争での前進など政治的諸事件と、時代背景=産業革命後の資本主義発展と労働者階級の成長が説明される。そして、「社会の多数が目的を理解してこそ革命に勝利できる」、そのための長期の根気強い活動の意義が明らかになる。
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10・11回テキスト.pdf「しんぶん赤旗」記事
第11回
1月24日
エンゲルス『「フランスにおける階級闘争」への序文』 第2回
革命権はあらゆる近代国家の基礎であることを、日本の歴史にもふれて語る。エンゲルスの“遺言”=ドイツ革命の見通しについての警告を理解しなかったドイツ党指導部の問題、マルクスとエンゲルスの大道だった多数者革命論はその後どうなったか?(ドイツ社会民主党の成長と変質、レーニンの探究、スターリンの「理論体系」、資本主義世界の共産党の運動の歴史)を縦横に語る。そして日本共産党綱領がめざす民主連合政府の実現が「多数者革命の現代版」となることを明らかにする。
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テキストは、第10回と同じ
講義の後半 レジメ.pdf「しんぶん赤旗」記事
第12回
2月7日
(最終回)
マルクス、エンゲルス以後の理論史
最終回-不破さんは、「実はこういうテーマで話すのは私も初めて」と切り出し、マルクスの理論と精神を受け継ぐべく探求と模索を重ねたレーニンの業績と活動、「マルクス・レーニン主義」の名でまったく別物の理論体系と行動にすすんだスターリンとその後継者たちの過ちを話してゆく。そして日本共産党が、ソ連の干渉や、誤った理論とたたかいながら、科学的社会主義の本来の理論的立場を取り戻し現代に生かす理論的発展のために努力してきた、半世紀にわたる苦闘の歴史が語られる。最後に重ねて、「マルクスを本当に現代の世界に生かすために、これからも古典の勉強を」と呼びかける。
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講義レジメと資料.pdf
追加資料(レーニン年譜).pdf「しんぶん赤旗」記事